YORIMICHI RESEARCH INSTITUTE

NIGHT FLIGHT

Chapter 5|高度と速度

株価、騰落率、モメンタムから、飛行機がどのように飛んでいるのかを見る。

この飛行機はいま、どう飛んでいる?

上昇? 下降? 加速? 減速?

観測を始める ↓
OBSERVATION

「上がった・下がった」の、その先へ。

株価の方向だけでは、飛び方までは分かりません。同じ上昇でも、勢いが増している機体と、勢いを失い始めた機体があります。

✈ ↗
上昇 + 加速
高度も上向き、勢いも増す
✈ ↗
上昇 + 減速
上昇中だが勢いは低下
✈ ↘
下降 + 加速
下向きの勢いが増す
✈ ↘
下降 + 減速
下降中だが勢いは低下

まず「方向」と「勢い」を分けて見る。

LEVEL 3

上がった・下がった、その先へ

4つの「飛び方」を見分けよう。

A機
100 → 101 → 103 → 106 → 110
+1 → +2 → +3 → +4
上昇 + 加速
B機
100 → 105 → 109 → 112 → 114
+5 → +4 → +3 → +2
上昇 + 減速

「上がっている」と「強くなっている」は同じではありません。 方向を見たあと、変化幅が拡大しているのか、縮小しているのかを観察します。

下降にも同じ考え方を使う

下落幅が -1 → -2 → -3 → -4 と拡大すれば「下降+加速」。-5 → -4 → -3 → -2 と縮小すれば「下降+減速」です。ただし、下降+減速は上昇を意味しません。

戻り道
結局、この複雑な分析の出発点は何だった?

――この飛行機はいま、どう飛んでいる?

方向と勢いは分かりました。すると次のQUESTIONが生まれます。

その飛行を、何が支えているのだろう?

LEVEL 5

その飛行を支えているものは何だろう?

出来高とVWAPを加えて、もう一段深く見る。

出来高

値動きに、どれくらい市場参加が伴っているかを見る。

イメージは「燃料」。実際に観測するのは市場参加の大きさ。

VWAP

現在価格が、その時点までの出来高加重平均価格に対してどこにいるかを見る。

NIGHT FLIGHTでは「基準高度」として考える。

時間

一枚の数字ではなく、9:30 → 10:30 → 14:00 → 大引けという飛行記録を見る。

例|一日の飛行
9:30 +3.8%/出来高急増/VWAP上
10:30 +3.1%/出来高減少/VWAP上
14:00 +2.4%/さらに減少/VWAP上

ここから言えるのは、「高い位置を維持しながら、朝の急上昇からは減速し、市場参加も低下している」という観測です。未来を決めつける必要はありません。

戻り道
結局、この複雑な分析の出発点は何だった?

――この飛行機はいま、どう飛んでいる?

ところが、さらに計器を増やすと問題が起きます。

PRICE↑
MOMENTUM↓
VOLUME↓
VWAPABOVE
RSIHIGH
MACDPOSITIVE

……あれ? 計器が食い違っている。

どの計器が正しい?

なぜ、違うことを言っている?

LEVEL 7

計器が食い違ったとき、どう考える?

答えを探すのではなく、仮説を作る。

計器は多数決ではありません。RSI、MACD、VWAP、出来高、モメンタムは、それぞれ違う角度から同じ機体を観測しています。

FACT→INTERPRETATION→HYPOTHESIS
FACT
観測した事実だけを並べる。
SIGNAL
何が変わり始めたかを見る。
QUESTION
なぜそう見えるのか問う。
HYPOTHESIS
説明候補を一つに絞らない。
VERIFY
次のデータで確かめる。

一つのSIGNALから、一つの答えに飛びつかない。

HYPOTHESIS A

朝の買いが一巡し、上昇モメンタムが減速している。

HYPOTHESIS B

急上昇後の一時的な休憩で、高い価格を維持している。

HYPOTHESIS C

銘柄固有ではなく、市場やセクターの気流で減速している。

新しい事実が出たら、仮説を更新して構いません。最初から当てることより、検証して考えを更新できることの方が重要です。

最後の戻り道
結局、この複雑な分析の出発点は何だった?

――この飛行機はいま、どう飛んでいる?

「まだ分からない。次のSIGNALを待つ。」も、一つの分析。

CHAPTER 5|ROUTE COMPLETE

三つの深さは、一本の航路だった。

SIGNAL→QUESTION→HYPOTHESIS→VERIFY
LEVEL 3

どう飛んでいる?

方向と勢いを見る。

LEVEL 5

何が支えている?

出来高・VWAP・時間を見る。

LEVEL 7

なぜ、その飛び方?

仮説を作り、次のデータで検証する。

この飛行機はいま、どう飛んでいる?

同じ問いへ戻ってきました。違うのは、見える深さです。