CHAPTER 2

「風」を読む

なぜ同じ日に、上がる株と下がる株があるのでしょうか。
Chapter 2では、株価を動かす「風」の正体を見ていきます。

株価だけを見ていると、飛行機しか見えない。 飛行機の動きを理解するには、風を見なければならない。

同じ空なのに、動きが違う

朝、東京市場が始まりました。

自動車株上がっている
電力株下がっている
銀行株強い
半導体株少し元気がない

「どうして同じ市場なのに、こんなに違うの?」

そこで、飛行機だけではなく空を流れる「風」を見ます。

①為替という風

ドル円が150円から155円へ動き、円安になりました。

追い風になりやすい海外で稼ぐ輸出企業では、円換算した利益が増えるという期待につながることがあります。
向かい風になりやすい海外から原料や商品を買う企業では、仕入れコストの上昇につながることがあります。
同じ風でも、飛んでいる方向によって
追い風にも向かい風にもなる。

②金利という風

金利が上がりました。

銀行には追い風の場合貸出金利と預金金利の差である「利ざや」が改善するという期待が生まれることがあります。
成長株などには向かい風の場合借入負担が増えたり、遠い将来の利益に対する現在の評価が下がったりすることがあります。
「金利上昇=すべての株が下がる」ではありません。
誰にとっての風なのかを見ます。

③原油という風

原油価格が急上昇しました。

資源関連には追い風の場合販売価格や採算の改善への期待から、買われることがあります。
航空・運輸・化学などには向かい風の場合燃料費や原材料費の上昇が、利益を圧迫することがあります。
NIGHT FLIGHTでは「原油が上がった」で終わりません。
「その風を正面から受ける飛行機は誰だ?」と考えます。

複数の風を、一緒に見る

円安+ 金利上昇+ 原油高

市場の空には、一方向の風だけが吹いているわけではありません。為替・金利・原油、さらに海外市場や政策など、複数の風が同時に吹いています。

ある企業には円安が追い風でも、原油高がそれ以上の向かい風になるかもしれません。だから、一つのニュースだけで答えを決めず、風を重ねて考えます。

🌬️「良い風・悪い風」は存在しない

市場全体にとって絶対的な「良い風」「悪い風」と決めつけるのではなく、次の三つを見ます。

どこから吹いているのか。
どのくらい強いのか。
どの飛行機が影響を受けるのか。

風そのものに良し悪しがあるのではありません。大切なのは、その風を誰が、どの方向から受けるかです。

確認フライト:風向きを考えてみよう

今日、突然円高になりました。

次の三つにとって、追い風でしょうか、向かい風でしょうか。まずは自分で考えてみてください。

考えたあとで、答えの方向を確認する
対象基本的な風向き理由
輸出企業向かい風になりやすい海外で得た外貨を円に換えたとき、円換算額が減りやすいため。
輸入企業追い風になりやすい海外からの仕入れに必要な円が少なくなり、コストが下がりやすいため。
海外旅行関連追い風になりやすい日本から海外へ行く人にとって、現地での支払いが割安になりやすいため。

※これは基本方向です。企業の為替予約、取引通貨、価格転嫁、事業構成などによって実際の影響は変わります。

✈️ 🌬️ 💰

次のフライトへ

Chapter 1で市場という「空」を見ました。
Chapter 2では、その空を流れる「風」を読みました。

Chapter 1 空→Chapter 2 風→Chapter 3 資金

では、その風を感じたお金は、実際にどこへ飛んでいくのでしょうか。

Chapter 3「飛行機は資金」へ続きます。